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さびしんぼの鬼と和み爺
一人ぼっちの「鬼」がいました。
鬼の顔はとっても恐ろしかったので、
誰も近づこうとはしませんでした。
寂しくて人里にやってきても、
その姿が恐ろしいので村人は近づきません。

鬼はいつもひとりぼっちなので、
寂しくて寂しくて泣いてばかりいました。

鬼はかまってほしくて、村人の前に通せんぼうをしたり、
村人の大きな荷物を持ってやろうとして
いきなり背中の荷物を掴んでみたり。
でも、村人は鬼を怖がって、背中の荷物である畑で取れた
たくさんの芋を放り出して一目散に逃げて帰りました。
「鬼に今年の収穫を全部取られた。
もう少しで喰われるところだった。」と大騒ぎします。
ますます村人達は鬼を怖がるようになりました。

村には一人のたいそう優しい知恵のあるおじいさんがいました。
おじいさんは「わしはずいぶん歳をくっとるから、
わしなら喰われても仕方ない。
なにより、こんな年寄りは固くてまずいだろうから、
鬼もくわんだろう。」
そう言って、鬼のところに村人にいたずらしないように
話をすることになりました。

ごつごつした岩山上で昼寝をしていたら、
遠くからやってくるおじいさんが見えました。
鬼は仕返しに来たに違いないと思い、
大きな松の木に隠れておどすことにしました。
おじいさんが松の木の前を通りかかったとき鬼は
「うおーっ」とすごい顔で飛び出し金棒をついてにらみました。

ところが、食われても良いと覚悟していたおじいさんは驚かず、
「やあー」っとにっこり笑って返しました。
鬼はこころが温かい気持ちになりました。
にらめっこにならず、つい顔がほころびました。

すると、もうそこには鬼の姿はありませんでした。
体が大きく、筋骨たくましい日焼けした若者がいるだけでした。
長い間、自分は醜いと思い込み、意地悪ばかりしていたので、
いつのまにか鬼になってしまったのでした。
そして山奥で暮らし、寂しくなったら人をおどしに
里へ降りてきたのでした。

おじいさんのやさしいまなざしは、鬼の醜いこころを和ませ、
溶かしてしまったのです。
その若者はおじいさんの畑仕事を手伝い、豊かにしました。
そして本当の子供のように仲良く暮らしました。

おじいさんの大きな心が愛情を生み、愛情が微笑みを生み、
素直な心が相手を見させ、微笑みが映る。
微笑みの映りあいが和み、囲炉裏の火のようにお互いを暖めました。

鬼とおじいさんの暮らした暖かい囲炉裏のある家を、
村人は「和み館」と呼んで親しんでいたそうな。

「和み館」に来た鬼は、温かい気持ちになってみんなと一緒に和気藹々と過ごすようになりましたとさ。
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近鉄奈良より徒歩15分。主要な観光地の程近くになら和み館はございます。

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